桜えびと言えば、駿河湾でしか水揚げされない海産物というイメージが持たれやすいです。
ですが実は、桜えびは台湾近海でも水揚げされます。
では、国産の桜えびと比較して台湾産桜えびにはどのような特徴があるのでしょうか?
今回は、桜えびの加工を行う弊社がプロの視点から台湾産桜えびの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
台湾産桜えびとは
台湾産桜えびとは、文字通り台湾の近海で獲れた桜えびの総称です。
主に、台湾の中でも日本の石垣島に近い場所にある「亀山島」や、台湾南西にある琉球郷、台湾南東にある大武郷という3ヶ所で水揚げされます。
台湾産の桜えびは、1988年に行われた日本海洋学会の発表により、「駿河湾産の桜えびと同種」であることが明らかとなりました。
つまり、生物の分類上はまったく日本で獲れる桜えびと同じものというわけです。
日本で水揚げされるものと同種であることが判明して以降、台湾産の桜えびは日本国内でも広く流通するようになりました。
特に、2018年〜2019年の不漁で国産サクラエビの流通量が減少した影響で、台湾産桜えびの流通量は増加傾向にあります。
台湾産桜えびのメリット
国産の桜えびと比べた場合、台湾産にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
この章では、台湾産桜えびを購入・仕入れするメリットを3つご紹介します。
値段が安い
台湾産桜えびを使う最大のメリットは、値段の安さです。
台湾産桜えびは、国産の商品と比べて約2分の1〜3分の1の価格で購入できます。
供給量が安定している
駿河湾で水揚げされる桜えびは、2018年以降記録的な不漁が続いています。
需要に対して供給量が少ないため、価格が高騰している上に、業務で必要なだけの桜えびを仕入できるとはかぎりません。
一方で台湾産桜えびは、国産と比較して水揚げ量が安定しています。
そのため、安定的に必要な分だけの桜えびを購入できます。
台湾産桜えびのデメリット
価格の安さや安定的な供給がメリットである一方で、台湾産桜えびを利用・購入するにあたってはデメリットもあります。
具体的に注意すべきデメリットは下記の3つです。
サイズがやや小さく崩れやすい
由比港や大井川港で水揚げされる桜えびと比べて、台湾産桜えびはサイズがやや小さく崩れやすい傾向があります。
ただし一目で分かるほど劣っているわけではないため、見栄えを重視する料理などに用いる場合でない限り、気にせず利用しても問題ないでしょう。
風味の良さや甘さは駿河湾産に若干劣る
風味の良さや甘さも、駿河湾で水揚げされる桜えびと比較すると若干劣ると言われています。
静岡市が公表しているデータによると、台湾産と比べて由比で水揚げされた桜えびの方が、糖度計で測定した糖度が高いとのことです。
実際のところ、食べ比べると駿河湾で水揚げされた桜えびの方が、台湾産よりも甘さや風味の点で若干優れています。
とはいえ、台湾産桜えびも普段の食事や加工食品の材料として利用する分には十分な旨味を持っています。
参考:漁獲量日本一!しずまえの桜えびは甘味と旨みが違います。 ZRATTO!しずおか
どんな人に台湾産桜えびはオススメ?
以上のメリットとデメリットを踏まえて、どんな人に台湾産桜えびがオススメかをご説明します。
安さ重視で桜えびを購入したい方
台湾産桜えびは国産の約2分の1〜3分の1の値段で購入できるので、とにかく安い値段で桜えびを購入したい方には非常にオススメです。
多少鮮度や甘さこそ劣るものの、桜えびに特有の旨味や食感は台湾産でも十分楽しめます。
普段の食事でかき揚げやチャーハンの材料として使うだけなら、台湾産でも十分役割を果たすでしょう。
業務用で大量に仕入れたい企業
飲食店や加工食品メーカーなどで桜えびを使うとなると、定期的に大量の仕入れが必要となります。
自宅用で少量だけ購入する場合ならば、国産と台湾産の価格差はそこまで気にならないでしょう。
ですが一度に大量に仕入れると、国産か台湾産かによって仕入れのコストが数十万円〜数百万円変わってきます。
したがって、業務用で大量に仕入れる場合には価格が安い台湾産桜えびを利用するのがオススメです。
台湾産桜えびのまとめ
台湾産桜えびは、全体的に駿河湾産と比較すると品質面でやや劣ります。
ですが、国産の桜えびと比べておよそ2分の1〜3分の1程度の値段で購入できるのは非常に魅力的です。
比較的供給量も安定しているため、業務用として安く大量に桜えびを仕入れる場合には最適です。
「業務用で桜えびを購入したいけど、値段が高すぎて手が出せない」と考えていた方は、ぜひ台湾産桜えびを検討してみてはいかがでしょうか?
弊社では、地元で獲れる駿河湾産の桜えびの他にも台湾産も取り扱いがありますので、お気軽にお問い合わせください。