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桜えびが不漁の原因とは?

駿河湾で水揚げされる桜えびは、かき揚げやピラフの具材として愛されています。

そんな桜えびですが、ここ数年は深刻な不漁に悩まされています。

不漁の影響もあり、近年は桜えびの価格相場も上昇傾向です。

今回の記事では、近年における桜えびの水揚げ量を取り上げつつ、深刻な不漁に陥っている理由を解説します。

目次

2020年度の桜えび漁獲量はどのくらい?

2020年度は、例年と同様に春漁と秋漁の2シーズンに分けて桜えび漁が実施されました。

この章では、春漁と秋漁それぞれの漁獲量、および年間の漁獲量をご紹介します。

春漁の漁獲量

3月下旬〜6月初旬にわたって行われた春漁では、約26トンの桜えびが水揚げされました。

この漁獲量は、漁が実施されなかった太平洋戦争中(1944〜1945年)を除いて、明治中期以降で過去最低の記録です。

例年続く不漁に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大や強風が重なったことが、過去最低の漁獲量となった理由と言われています。

秋漁の漁獲量

10月下旬~12月下旬のあいだに行われた秋漁では、合計で約102トンの桜えびが水揚げされました。

2020年春漁の漁獲量を大幅に上回っており、2019年の秋漁(約90トン)よりも若干多い水準です。

依然として漁獲量は少ないものの、12月9日には約11.7トンの漁獲量を記録するなど、春漁と比べると安心できる結果となりました。

年間の漁獲量は過去最低を記録

春漁と秋漁を合わせると、2020年における桜えびの漁獲量は約128トンとなります。

新型コロナウイルスの流行が重なった春漁が足を引っ張る結果となり、昨年に引き続き漁獲量は過去最低を更新する結果となりました。

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2018年以降深刻な不漁が続いている

冒頭でもお伝えしたとおり、ここ数年は桜えびの深刻な不漁が続いています。

特に不漁が深刻化したのは2018年以降です。

2017年における漁獲量は1,132トンでしたが、続く2018年では312トンにまで激減しました。

たった1年間で、およそ70%以上も減少したことを意味します。

漁獲量の回復が期待された2019年は175トン、そして2020年は128トンと、3年連続で過去最低を更新し続けている状態です。

桜えびが不漁となっている原因

桜えびの不漁について、はっきりとした原因は判明していません。

ですが、大学の教授などの専門家からは、いくつか有力な説を唱える声が出ています。

ここでは、桜えびが不漁となっている原因として有力な説を3つご紹介します。

水質汚染

最近有力な説として挙がっているのが、富士川の水質汚染(濁り)です。

水質汚染は、ダムから土砂が流れていることや、砂利採取を行った企業が汚泥を流したことで発生していると言われています。

そうした水質汚染によって濁った水は、富士川から桜えびの産卵場である駿河湾に流れ出ていることが確認されています。

産卵場の水が濁った結果、エサとなるプランクトンの光合成が促進されず、桜えびの生育に支障が出ているという指摘が挙がっているのです。

参考:静岡のサクラエビ不漁と山梨のダムの関係は 川の濁りを両県調査 産経新聞

黒潮の大蛇行

2つ目の説は、黒潮の大蛇行による不漁です。

本来黒潮は、駿河湾から数百キロ離れた沖合を流れると言われています。

ですが2017年8月以降は、黒潮が大きく蛇行し、駿河湾沖から三浦半島沖に入り込むようになりました。

駿河湾に流れてくる黒潮は、桜えびの成長を促す温かい海水を同海域に供給してきました。

漁業関係者や研究者からは、「黒潮の蛇行によって海水が供給されなくなったことが、桜えびが不漁となっている原因である」と指摘する声も多く挙がっています。

参考:駿河湾の卵、相模湾へ? 黒潮大蛇行で流出か 静岡新聞

水揚げ量の過多(資源の減少)

3つ目の説は、過剰な水揚げにより資源(桜えび)自体が減少しているというものです。

桜えびの生態に詳しい研究者からは、春漁の時期に産卵前の桜えびを取りすぎていることが、不漁の状況をさらに悪化させているという声が挙がっています。

参考:サクラエビ不漁、取りすぎが主因 東海大元教授の鈴木氏に聞く 静岡 産経新聞

2018年以降は不漁を受けてあらゆる対策・規制が行われている

深刻な不漁を受けて、2018年以降桜えび漁ではあらゆる規制が自主的に行われてきました。

具体的には、これまで下記に挙げた自主規制によって、将来的に産卵する桜えびを温存する措置がとられました。

  • 1歳エビ(体長35ミリメートル以上のエビ)の割合が一定の水準以下である場合には漁獲しない
  • 操業船舶数を3分の1以下に抑制
  • 漁の時間短縮

水揚げ量の過多が最大の原因である場合、上記の規制によって不漁の状況は大きく改善されると考えられます。

現時点では手探りで対策や規制が行われており、今後どのくらい効果が現れるかは不透明なのが現状です。

参考:サクラエビ 4海域に分け自主規制 読売新聞

桜えびの不漁に関するまとめ

水質汚染や水揚げ量の過多など、有力な説は出ているものの未だ桜えびが不漁となっている原因ははっきりしていません。

ただし懸命な自主規制の甲斐もあって、2020年の秋漁でも新鮮で美味しい桜えびが少ないながらも水揚げされました。

弊社でも新鮮な生桜えびや釜揚げ桜えびの商品を取り扱っておりますので、ぜひお気軽にお買い求めいただければと思います。

ご家庭でのお料理はもちろん、飲食店などで使う業務用としてもおすすめです。

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